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神経系統の後遺障害

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神経系統の後遺障害

(神経系統)
中枢神経     末梢神経
□脳   →   □脳神経 12対
□自律神経 副交感神経

□せき髄   →   □脊髄神経 31対
□自律神経 副交感神経
交感神経

□脳神経  嗅神経、視神経、動眼神経、…、舌下神経など12対
□脊髄神経 31対
頸神経 cervicales  8対
胸   thoracic 12対
腰   lumbus 5対
仙骨  sacrales  5対
尾骨  coccygeus 1対

損傷した神経の部位と程度により自賠責後遺傷害別等級表に記載されています。

最も一般的で多数発生する事例は頸椎捻挫であり、重症事例の代表は脳外傷です。
頸椎捻挫

(頸椎捻挫とむち打ち症)
メカニズム・損傷機点:
自動車に乗車中、追突を受けると頭が後方にのけぞり、頸部が過度に進展を強制され、次にその反動で頭が胴体よりも前にはじき出されて屈曲を強制されます。
頸の組織は通常可動の限界を超えて引き延ばされ、そして屈曲して、損傷する。
ちょうどムチを強くふったような運動に例えられて世間では「むち打ち損傷」とも言われます。

分類
頸椎支持組織の損傷程度に3段階あって
ⅰ 筋肉・靱帯損傷型(頸椎捻挫型)
ⅱ 椎間板損傷型
ⅲ 頸椎脱臼・骨折型

これに神経組織の損傷(特に神経根症状)があるか? ないか? の基準を相関させて、数種の型に分類されます。
多くの場合は、ⅰ 筋肉・靱帯損傷型(頸椎捻挫型)であり、神経組織が損傷されていない型が通称むち打ち症とよばれており、正式名は頸椎捻挫(純粋型)と定義されます。
※ⅲの頸椎脱臼・骨折型は実例においては少ないです。

治療期間:
通称むち打ち症については、一般的には長期化することは殆どなく、1ヶ月以内に治療を終了する例が80%位を占めており、6ヶ月以上を要する例は3%位という報告がされています。
□頸椎捻挫一般について、7~8割は3ヶ月以内に改善すると言われており、98%は1年以内に治癒するという意見もあります。
□長期化する傾向のある病型は、神経根損傷型です。
ⅰとⅱの区別は重要です。
損傷の部位が、イ:筋肉、靱帯など軟部組織にとどまっているのか? 
□:椎間板にまでおよんでいるのか?
椎間板にまで損傷されていれば通称のむち打ち症ではなくて、神経組織が損傷されていることが多く、症状は長期化します。
椎間板が損傷されているかどうかは単純X線、MRIにより画像診断されます。
その損傷が画像に写れば椎間板損傷型として症状の説明はできる。
椎間板損傷が画像に写らなければ、証明責任は被害者側にあるから、椎間板損傷はないものとして扱われる。
しかし私たち弁護士が相談を受ける実例は、法律問題として難解な事例が多い。
(1)確定的ともいえる医学的論文があります。
「椎間板損傷が画像に撮影されていても、事故によって、外傷性として椎間板が損傷されることは稀である。事故前から椎間板に病変があって、もともとその被害者の椎間板は病んでいた。これは被害者の素因である。」旨この場合、賠償交渉において加害者側保険会社は必ず素因減額を持ち出して賠償金の3割~5割くらいの減額を主張してきます。
(2)椎間板の損傷が画像に写っておらず、神経組織の損傷、神経組織への影響がある事例が実際に存在する。しかしその損傷、影響を証明することは容易にはできない。
自賠責保険後遺障害等級において、12級13号、14級9号に該当の有無が問題になります。労働能力喪失期間と慰謝料金額に違いがあります。
12級13号と14級9号との区別はつぎのとおり、他覚的に証明にあります。
12級13号 局部に頑固な神経症状
「頑固」とは、神経系統の傷害が他覚的に証明されるもの
「他覚的に証明」とは、画像に写っていること
客観的な医学的所見
14級9号  局部に神経症状

◉最近の事例
後遺障害の部位 頸部痛 背部痛 左上肢痛
事故日    2012年6月19日
症状固定日  2015年9月16日
症状固定後においても長く星状神経節ブロック注射など麻酔科治療を継続

MRI所見:椎体の配列の乱れ C5に軽度後方すべり 脊柱管は軽度すべり
しかしこのことは椎間板損傷の証明にはならない
整形外科医の診断:神経症状(頸部痛、左上肢しびれ、握力低下)は残存するが、画像所見上も当該身体部位の神経症状を来しうる病変は傷害を受けた頸椎部にはない。
自賠責調査手続きにおいても、椎間板損傷は画像に写っていないので、他覚的証明にならない。
結論:12級の神経症状を来す原因を証明できる医学的知識の供給ができない。
14級でやむなく終結

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医学的知識の供給、医学文献が決定的であることは、次の判例からも容易にわかる。
□さいたま地裁越谷支部 平成28年5月26日判決
神経根症状として、頸椎捻挫後の頸部から肩部痛、右上肢・手のしびれ等の症状に関して、自賠責調査手続きにおいて14級9号と認定されて異議申し立てをしたが、やはり14級9号とされた。被害者は訴訟を提起して12級13号を請求した事例である。
画像所見としてC5/6の膨隆がある。
被告側は反対意見の医学的意見書を提出して、被害者の神経根症状は、右C8に支障、障害がある場合に現れるものであること、C5/6の膨隆が原因とすれば、2レベルのずれが生じていることになるがそれは極めて例外的な場合に限られる旨主張して、同神経根症状はC5/6のた膨隆が原因として生じたものとは説明できないとして争いました。
被害者側の証拠としてさらに「頸椎板の障害部位と神経学的所見が一致しないことはある。1レベルずれることは普通である。」と論ずる医学文献を提出しました。
裁判官は「2レベルのずれが生じるのは極めて例外的な場合に限られるとする上記医学的知見が一般的なものであるかは明らかではない。」と判断して12級13号 局部に頑固な神経症状を認めました。

もう一つの医学的知識が重要である判例を紹介します。
□名古屋地裁 H22ー3-19判決
事故日 H12ー8ー29
残存する症状:
左手のしびれ、嘔気、嘔吐:頸部神経根障害としたバレリュー症候群
被告側は医学意見書を出して12級該当を争いました。
□被告側意見書
14級9号とすべきである。その理由は:
末梢神経損傷であれば腱反射は低下するものであるが、他覚的所見として腱反射異常なしとされている。
頸椎神経根刺激症状も+-であってはっきりと陽性とは書かれていない。
頸椎MRI検査で神経根の圧迫が所見されなかった。
12級12号であるためには医学的証明が必要である。しかし末梢神経損傷も証明されていない。外傷性頸部症候群であれば98%以上は1年以内に治癒するとされている。5年の治療が必要であったという事実自体、自覚症状が外傷性頸部症候群に起因することに疑問を抱かせる。
□これに対して鑑定人は次のように意見しています。:
外傷性頸部神経根障害とバレリュー症候群が主であり、外傷性頸部症候群といえる複雑なものである。
原告の頸椎には以前からの頸椎症性変化があるため、事故により症状が出やすい状態があった。
受傷後3ヶ月撮影のMRI H16年撮影のMRIには、明らかに椎間孔の狭窄がある。
これが左上肢の症状の原因である。
神経根の刺激症状が主となる。頸部背部痛、左上肢のしびれ、疼痛、筋力低下
頸部硬膜外ブロックで一時的にでも症状が改善したことは神経根の刺激がその時点で残存していたことを示唆する所見である。
自律神経系の症状(バレリュー症候群)
神経の支配領域には個体差があり、精査して確認する必要がある。
判決において、この鑑定意見の成果により、12級が認定されております。

これらの他にも多くの判例がでています。同様の判断枠組で推論していくことが出来ます。

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頭部外傷

頭部外傷により中枢神経である脳が損傷すると重篤な後遺障害を残します。
通常は脳器質性の障害であり、後遺障害の等級は、身体障害と精神の障害と総合して判断されます。
□身体障害(神経系統の障害):四肢麻痺
片麻痺
対麻痺
単麻痺
□精神の障害:高次脳機能の障害(器質性精神障害)

自賠責後遺障害別等級
第一第1級1号、2級1号、別表第二第3級3号は労働能力喪失率100%とされる重症事案です。
①第二第3級3号 神経系統の機能又は精神に著しい障害を残し、終身労務に服することができないもの
②第一第2級1号 神経系統の機能又は精神に著しい障害を残し、随時介護を要するもの
③第一第1級1号 神経系統の機能又は精神に著しい障害を残し、常時介護を要するもの

それらの各症状はどのようなものかを典型例で示すと次のようなものです。
□①3級3号:終身労務不能
食事、着替え、排せつ、入浴、歩行等の身体動作は自分でできる。介助不要
高次脳機能障害による精神障害により、食事を作ることができない。
掃除、洗濯は近親者の指示が必要
日常生活のなかで動作を起こさせるためには声掛けが必要。一人で任せておくと何もしないでぼんやりとしたまま過ごす。
ガス、ストーブの火を消し忘れるから危なくて一人で使うには任せられない。
買い物を頼むと頼んだものとは異なるものを買ってくる。
金銭を所持させると全部使うなど、金銭管理ができない。
自動車ディーラー店に一人で行って新車の契約をしてくることもある。
漢字の読み書きは小学校高学年程度である。
些細なことで周囲の者に怒ったり、物を投げつけたり、蹴ったり、暴言を吐く。
自傷行為におよぶこともある。

□②2級1号:随時介護
身体動作について、食事の配膳、あとかた付けは一人でできない。
着替えに手間を要する服の着替えはできない。
用便について、トイレの段差をまたぐ際には介護が必要
入浴について、段差をまたぐ際、洗い残し部分の洗いには介護が必要
日常生活の行動決定について、指示声掛けが必要
洗顔、歯磨きに指示が必要
外出には付き添いが必要
同じことを何度も聞き返す
数分前の出来事をよく忘れる
同じ間違いを繰り返す。
複数の事を同時にできない。
新しいことを覚えられない。
感情不安定。

□③1級1号:常時介護
通常の箸を持って食べる動作自体ができない。
用便自体できない。
入浴について、湯船に入る、体を洗うことは一人ではできない。
日常生活の行動決定についても常に介護が必要
高次脳機能障害が明瞭に現れて、相手の言葉には反対の行動をとったり、相手の話を聞かずに一方的に話したり、熟知した者でないと介護はむずかしい。

□最重度・特Ⅰ種:
常時介護のうち
自力食事が不可能
屎尿失禁状態
会話が不可能、声を出しても意味が不明
(将来介護料)
その事案の事実関係により実質的に審査されます。
高額に達することがしばしばあります。

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