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告知義務違反の解消解決

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告知義務違反による解除

告知義務とは、保険契約の締結、復活の際に、保険会社が告知を求めたもの(告知事項)について、事実の告知をしなければならない義務のことです。
保険法37条(生命保険の場合)、保険法66条(傷害疾病保険の場合)は次のように書いています。
「保険契約者又は被保険者になる者は、保険事故(給付事由)の発生の可能性に関する重要な事項のうち保険会社が告知を求めたもの(告知事項)について、事実の告知をしなければならない。」

告知義務のある事実とは、被保険者の生命、傷害疾病について危険を測定するために必要な事実であり、保険危険事実と言われています。
典型例としては、人の健康状態に関する既往症、現症のことです。
告知の方法としては、通常の場合は保険会社所定の書面で告知を求められます。
普通の様式は、おおむね別紙告知書の様式です。
会社の指定する診察医の質問により告知を求められる場合もあります。この場合はその医師に対して口頭で告知することになります。

告知義務に違反した場合の制裁:
□違反が判明した時に、保険契約は解除される。
 解除されるから、将来に向かって保険契約は存在しないものとなる。
□保険事故・給付事由が発生していても、保険金は支払われない。保険給付はされない。
□既に保険金等が支払われているときには、それを返還しなければならない。
□契約者が支払い済の保険料は返還されない。保険法59条、88条「解除は将来に向かってのみその効力を生ずる」と規定されており、過去に実行された行為は影響されない。
>このように違反の制裁は極めて大きく、契約者にとって保険契約をした効果は無・ゼロに帰することになります。

告知義務違反の制裁は極めて大きいものですが、契約者は違反の制裁が大きいことを認識していないことが問題です。
告知事項を記入することに費やす時間・労力が少なく、あまり注意を傾注しないまま漫然として軽い態度で記入することが多い。過去の治療歴の詳細をいちいち思い出す労力をかけないまま、告知書に記入したり、診察医の質問に答えたりする例が多い。
「事例:例えば目の白内障の治療で眼科に通院治療をしていたところ、お医者さんが慎重を期して予防を兼ねて緑内障の治療もしてくれていた。緑内障はほんの初期の軽い症状であったので、患者は告げられてもおらす、告げられたかもしれないが覚えてもおらず、緑内障の意識はない。それでも緑内障の治療はされているからそのことを告知書に書いていなければ告知義務違反である。」

契約者が告知書用紙を見るのは、通常の場合、他の契約書類、保険商品説明書などと同時である。多くの時間は商品内容の説明に費やされて、契約者は普段は疎い保険商品内容を理解しようとしてそのことで頭は一杯になっている。
こんなときに時間を与えられて注意しながら告知事項を記入することはできないのが通常である。
告知書の準備は提出日から少なくても2週間前には契約者に渡されて、契約者は過去の日記も探し出して思い出し、記入の仕方が分からなければ募集員など保険会社職員に尋ねることができる時間の余裕が必要である。

解除権が行使される期間制限
保険金支払事由が発生しないまま、責任開始日から2年をこえて契約が継続すれば、
会社は解除権を行使できない。

裁判例など事例の検討

告知義務違反による解除が抗弁とされた裁判事例約80件を検討してみると、健康状態に関する告知事実について解除が否定された事例は以下に掲げる4件位であります。他の理由で解除が否定された事例は、解除権の行使方法、募集員の不告知教唆、診査医の過失など周辺領域の理由によるものです。
健康状態に関する告知事実について告知義務違反があると勝訴率は非常に低いから、
告知書を書く時にはよくよく注意して告知義務を果たすように努めましょう。

「重要事実でない事例」
◯会社は解除できない。
以下の不告知事実が→白血病に関係があることを判断できるか?
保険会社の嘱託医など通常の医師でも契約締結時に慢性骨髄性白血病の診断を下すことはできない。
本件不告知事実:
□喉が赤くなって鼻水がでる
□臍の周りが湿潤したような湿疹みたいになって汁気が少し出てくる
□虫歯治療の一環である歯根膜炎
□口腔の粘膜に潰瘍ができる。症状はひどいものではなく、頻度は多いが普通にあるもの
□低血圧(100~54)

「契約者側に悪意又は重過失がない事例」
◯会社は解除できない。
生命保険契約 昭和23年2月29日
子宮癌で死亡   23年9月4日
既往症として、婦人科疾患 下腹部索引痛白帯下を訴えて医師 の診察をうけていた。膣部糜爛、性器出血などのため時折洗浄治療をしていた。
これらの既往症から→子宮癌を推断することができるか?
判示を引用:
既往症下腹部索引痛白帯下は、保険者に告げらるべき重要事項である。
下腹部索引痛白帯下と死亡原因であった子宮癌との間の因果関係或いは右既往症に基づいて子宮癌を推断することの正当性は各証人によって否定されている。悪意又は重過失があったか否か?を按ずるに、
被保険者は既往症を自覚していたことは言うまでもないが、之と子宮癌との関係は否定されるのであるから同人において子宮癌に対する懸念のごときは当時において全然これを有しなかった。
よって悪意又は重過失を肯定することは妥当でない。

「重大な過失なし。心房粗動の事例」
◯会社は解除できない。
告知すべき事項は、不整脈であり、告知義務違反はある。
しかし不整脈について故意はない。高脂血症であると思っていた。高脂血症については告知している。高脂血症に対する薬であると思っていた。
判決要旨:重過失は無い。
心房粗動とは、突然死の原因になる危険な不整脈ではない。
心房粗動とは心房が毎分250ないし400回比較的規則的に興奮する症状であるが、心房内に先天的にある種の電気的な異常回路が存在するために起きるものであり、生活習慣とは直接関連がなく、通常は突然死の原因になり得る危険な不整脈ではない。
投薬を受けていたが、高脂血症に対する投薬と思っていた。重過失は無い。

「故意有り。心房細動及びWPW症候群(ウォルフパーキンソンホワイト症候群)の事例」
◉解除は有効
既往症の医学的性質:
WPW症候群は、心房と心室を結ぶ正常な電気的刺激の通路(正常伝導路)のほかに、先天的に副伝導路が存在するために、特徴的な心電波形を示すものであり、患者の約半数に発作性上室性頻拍ないし心房細動が見られる。
発作性上室性頻拍が見られる場合には薬物療法による治療が必要になり、一定レベル以上の心房細動を伴う場合には突然死の危険が高くなるため、症状によってはカテーテル焼灼術、外科的離断術といった根治治療によるべきものとされている。

「告知事実非該当:肝疾患について指示指導があったと認定できない事例」
◯会社は解除できない。
□告知書h16-3-4から過去3年以内に(注:h13-3-4から以降が問題の期間になる)肝疾患について指示指導があったかどうかが問題となる。
□死亡  h18-3-11 肝臓がんで死亡

>h14年―2-4 肝臓の辺縁が鈍化しており、腎嚢腫と慢性肝炎と診断された。
治療は特にされていない。但し、診療録の傷病名の欄には肝臓のことは書かれていない。治療は胃潰瘍・胃炎に対するものである。
>14年末から15年初めにかけて釜石病院に通院したが、肝臓ではなくて、胃の診察等を受けた。
>14-2-4以降18年1月まで4年位の間、 肝臓について検査、手術投薬を受けたことはない。肝疾患を理由として入通院をしたことはない。
結論として肝疾患について「指示指導」があったと認定できない。

>仮に指示指導があったとしても告知しなかったことに重大な過失はない。
>h14-2-4 慢性肝炎との診断をされているが治療は特にされていない。治療・投薬は胃潰瘍、胃炎にたいするものである。
慢性肝炎に対する指示・指導があったと認定できない。
推測できないことはないが明確ではない。「酒は控えめにしましょう。今度暇になったら検査しましょう。」などの指示・指導は明確には記憶されない。思い出さなかったことを責めることは困難である。

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